ETCカードの勘定科目
ビジネスでETCカードを利用する場合、ETCカードの利用料金は経費にできます。
経費にするためには会計処理をしなければなりませんが、その際にETCカードの勘定科目を把握しておかなければなりません。
ETCカードの勘定科目は「旅費交通費」なので、しっかり覚えておきましょう。
ETCカードを利用したときの仕訳帳への記載方法
借方 | 貸方 |
---|---|
旅費交通費 1,000円 | 現金 1,000円 ※カード払いなら現金のところが「未払い金」になる。 |
ETCカードの仕訳は、借方に「旅費交通費」と記載します。
貸方は金額を記入すればOKです。
日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|---|
7/12 | 旅費交通費 | 1,000円 | 未払金 | 1,000円 |
ETCカードの利用料金をクレジットカードで支払う場合も、借方は「旅費交通費」です。
貸方は「未払い金」と記入します。
とくに難しい点はないので、勘定科目が旅費交通費であることと、カード決済のときは貸方に未払金と記入することを覚えておけば大丈夫です。
ちなみに法人カードの会計処理については、以下の記事で詳しく解説しているので合わせて参考にしてみてくださいね。

ETCカードの利用明細書を領収書としてもよい
ETCカードは高速道路のETCゲートを通過するため、その場で領収書を発行してもらうことができません。
ETCゲートは無人だからです。
このような現状から、ETCカードは利用明細を領収書としてもいいことになっています。
領収書が必要なときは、ETCカードの利用明細を取得しましょう。
ETCカードの利用明細書の発行方法
公式サイト:ETC利用照会サービス
ETCカードの利用明細は「ETC利用照会サービス」で取得できます。
過去の利用証明書や利用明細の確認が可能で、必要に応じてそれらの明細を印刷して保存しておけばOKです。
ETC利用照会サービスの使い方はとても簡単で、利用明細の発行手順はすべてナビゲートしてくれます。
手間がかかるのは、最初に「新規登録しなければならない」という点だけです。
ETCカードの種類
公式サイト:ETC利用照会サービス
ETCカードは大きく分けて3つの種類がありますが、3種類ともETC利用照会サービスで利用明細を取得できます。
利用明細を取得する手順は全種同じですが、「ETCクレジットカード」と「ETCパーソナルカード」は新規登録する際にETCカードを利用している車両情報が必要です。
登録する際は、登録するETCカードご利用時の車両情報の入力が必要ですが、登録後は他の車両でのご利用であっても登録されたETCカードでのご利用であれば、利用明細は表示されます。
(複数の車両をご利用される場合でも車両ごとに車両情報(車載器管理番号など)を入力していただく必要はありません。)
引用元:ETC利用照会サービス
利用明細の発行手順
公式サイト:ETC利用照会サービス
新規登録が完了すると、「ユーザーID」+「パスワード」でログインできるようになります。
ログイン後は利用明細の確認や印刷が可能となるので、ETCカードを発行したら最初にETC利用照会サービスで新規登録を済ませておきましょう。
プリンターがなくて印刷できない場合
ETC利用照会サービスで利用明細を取得するためにはプリンターが必要ですが、もしプリンターがない場合は以下の方法で取得できます。
- ETC利用履歴発行プリンターを使う
- 車載プリンターを使う
ETC利用履歴発行プリンターは、サービスエリアやカー用品店などに設置されており、その場でETCカードの利用明細を印刷できます。
ただし、設置されていないサービスエリアやカー用品店も多く、料金確定前は今の走行分の利用明細を取得できないという点にも注意が必要です。
車載プリンターは車内に設置する小型プリンターのことですが、これがあると車内でETCカードの利用明細を発行できます。
どちらの方法も自宅や会社にプリンターがないときに助かる方法ではありますが、基本的にプリンターがないならプリンターを購入するのが一番おすすめな対策方法です。
今はネット社会でWebから書類を取得する機会が増えているため、とくに会社を運営していく上でプリンターは必須アイテムの1つといっても過言ではないと思います。
レンタカーでも利用明細を取得できる
ETC利用照会サービスは、レンタカーでETCカードを使った場合でも利用明細を取得できます。
- ETCカード番号
- 登録するETCカードでETC無線通行した利用年月日
- ETC無線通行したお車の車載器管理番号
- 車両番号下4桁
ETC利用照会サービスを利用するためには新規登録が必要なわけですが、その際に4つの情報が必要なのでレンタカー会社に「ETC無線通行したお車の車載器管理番号」と「車両番号下4桁」を確認すればすべての情報が揃います。
また、この新規登録は最初の1回だけ本人確認のために行うだけであり、登録完了後は他の車で登録したETCカードを使っても利用明細を取得できます。
ETCカードのメリットとデメリット
ETCカードをビジネスで使う場合は経費として処理できるため、仕事で高速道路を利用する機会が多いのであれば法人ETCカードを発行しておくほうが便利です。
会計処理も利用明細を取得して帳簿をつければいいだけなので、とくに難しくありません。
メリット
ETCカードの主なメリットは、以下のような点です。
- 高速道路の料金所をスムーズに通過できる
- ETCマイレージを貯められる
- ETC割引を受けられる
ETCカードは高速道路の料金所を快適に通過できるだけではなく、「ETCマイレージを貯められる」+「ETC割引を受けられる」というメリットもあります。
ETCマイレージというのは「ETCマイレージサービス」に登録することで自動的にマイルが貯まるサービスです。
登録は無料なので、ETCカードを発行したら必ず登録しておきましょう。
また、ETCマイレージサービスに登録するとETC割引も適用されるため、本当に登録しておいて損はありません。
デメリット
ETCカードのデメリットは車載器が必要という点です。
- 車載器が必要
ETCカードは車に車載器を設置してセットアップすることで利用可能となります。
車載器を導入するコストは「車載器本体の料金」・「車載器取付の料金」・「セットアップ料金」ですが、これ3つトータルで約10,000円です。
車載器本体は約5,000円、車載器取付も約5,000円、セットアップ料金は約3,000円、といった相場です。
車載器導入は「料金が高い・・・」とか「複雑で難しそう・・・」というイメージを持たれがちですが、工賃含めて料金が安いですし即日ですべてを完了可能です。
法人にとってもETCカードのメリットは大きい
法人としてETCカードを導入すると、主に以下のようなメリットがあります。
- ETCカードの経理処理が楽になる
- ETCカードを使う社員の立替が不要
- 仕事とプライベートを分離できる
- 複数の社員に持たせることも可能
営業等で高速道路を利用する機会の多い企業なら、とくにETCカードのメリットを感じやすいです。
複数社員にETCカードを持たせて経費管理は一本化することができますし、ETCマイレージやETC割引からコスト軽減まで見込めます。
ETCカードを利用するのにおすすめの法人カード
ETCカードは「ETCカード単体を発行」と「クレジットカードの追加カードとしてETCカード発行」という2つの選択肢があります。
まだ法人カードを導入していないのであれば、クレジットカードの追加カードとしてETCカードを導入するのがおすすめです。
法人カードとセットで発行しておくと、高速料金以外の経費も簡単に処理できるようになりますよ。
ちなみにETCカードだけを単体で発行したいという方は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。

オリコEX Gold for Biz
カード名称 | EX Gold for Biz S | EX Gold for Biz M |
---|---|---|
年会費 | 初年度無料 2年目は2,000円 | 初年度無料 2年目は2,000円 |
申込対象 | 個人事業主 | 法人の代表者 |
限度額 | 10万円~300万円 | 10万円~300万円 |
追加カード (メンバーカード) | なし | 最大3名まで |
ETCカード | 発行枚数:1枚 年会費:無料 | 発行枚数:1枚 年会費:無料 (メンバーカードもETCカードを発行可能) |
ポイント還元率 | 基本ポイント:0.5% 特典:20%加算の特典でいつでも0.6% | 基本ポイント:0.5% 特典:20%加算の特典でいつでも0.6% |
ポイント交換先 | Amazonギフト券 iTunesカード nanacoギフト、など | Amazonギフト券 iTunesカード nanacoギフト、など |
空港ラウンジ | 国内主要17空港 海外2空港 | 国内主要17空港 海外2空港 |
保険 | ショッピングガード:年間100万円 海外旅行保険:最高2,000万円 国内旅行保険:最高1,000万円 | ショッピングガード:年間100万円 海外旅行保険:最高2,000万円 国内旅行保険:最高1,000万円 |
電子マネー | Mastercardコンタクトレス Visaタッチ決済 Apple Pay | Mastercardコンタクトレス Visaタッチ決済 Apple Pay |
オリコEX Gold for Bizは、1枚のカードに対して最大1枚のETCカードを発行できます。
- 発行枚数:1枚のカードに対して1枚
- 年会費:無料
- 発行手数料:無料
オリコEX Gold for Biz Mなら社員用追加カードを3枚まで発行できるので、3名の社員にETCカードを持たせることができます。
この法人カードはクレジットカードのスペックが全体的にバランスがいいため、はじめて法人カードを導入する企業におすすめです。

オリコビジネスカードGold
カード名称 | オリコビジネスカードGold |
---|---|
年会費 | 2,000円(税抜) ※初年度は無料 |
申込対象 | 法人 |
限度額 | 10~1,000万円 |
追加カード | 年会費:2,000円(税抜) 発行枚数:最大20枚 発行手数料:無料 ※初年度は年会費無料 |
ETCカード | 年会費:無料 発行枚数:最大20枚 発行手数料:無料 |
ポイント還元率 | なし |
ポイント交換先 | なし |
空港ラウンジ | 国内19空港 海外2空港 |
保険 | ショッピング保険:年間100万円 国内旅行保険:最高1,000万円(利用付帯) 海外旅行保険:最高2,000万円(自動付帯)傷害・疾病治療も最高200万円補償 |
電子マネー | Mastercardコンタクトレス Apple Pay |
オリコビジネスカードGoldは、ETCカードを最大20枚まで発行できます。
- 発行枚数:最大20枚
- 年会費:無料
- 発行手数料:無料
社員用追加カードも20枚まで発行できるので、複数社員に法人カードやETCカードを持たせたい企業におすすめです。
ただし、ポイントプログラムが未搭載なので、少数にカードを持たせることを検討しているなら上記で紹介したオリコEX Gold for Bizのほうがお得です。

JCB法人カード
カード名称 | JCBビジネスプラス法人カード | JCBビジネスプラスゴールド法人カード |
---|---|---|
年会費 | 1,250円 (オンライン入会限定で初年度年会費無料) | 10,000円(オンライン入会限定で初年度年会費無料) |
申込対象 | 個人事業主 法人 | 個人事業主 法人 |
限度額 | 10万~100万円 | 50万~250万円 |
追加カード | 年会費:1,250円 発行枚数:制限なし 発行手数料:無料 | 年会費:3,000円 発行枚数:制限なし 発行手数料:無料 |
ETCカード | 年会費:無料 発行枚数:制限なし 発行手数料:無料 | 年会費:無料 発行枚数:制限なし 発行手数料:無料 |
ポイントプログラム | キャッシュバック (月間5万円以上でキャッシュバック) | キャッシュバック (月間5万円以上でキャッシュバック) |
ポイント還元率 | 100万以上:3.0% 80万~100万:2.5% 60万~80万:2.0% 40万~60万:1.5% 20万~40万:1.0% 5万~20万:0.5% 5万未満:0% | 100万以上:3.0% 80万~100万:2.5% 60万~80万:2.0% 40万~60万:1.5% 20万~40万:1.0% 5万~20万:0.5% 5万未満:0% |
ポイント交換先 | 月間利用額に応じた還元率でキャッシュバック ※月間15,000円までの上限あり | 月間利用額に応じた還元率でキャッシュバック ※月間15,000円までの上限あり |
空港ラウンジ | なし | 国内主要30空港 海外1空港 |
保険 | ショッピング保険:海外100万円 国内旅行保険:なし 海外旅行保険:なし | ショッピング保険:国内外500万円 国内旅行保険:5,000万円 海外旅行保険:1億円 乗継遅延費用保険金:2万円程度 出航遅延費用等保険金:2万円程度 寄託手荷物遅延費用保険金:2万円程度 寄託手荷物紛失費用保険金:2万円程度 |
電子マネー | QUICPay ※カード番号が「354」から始まり、カード表面に「BUSINESS」と表示のあるカードはApple Pay利用可能。 | QUICPay ※カード番号が「354」から始まり、カード表面に「BUSINESS」と表示のあるカードはApple Pay利用可能。 |
JCB法人カードは、ETCカードを無制限に発行できます。
- 発行枚数:無制限
- 年会費:無料
- 発行手数料:無料
ETCカードの年会費や発行手数料は無料で、何枚でもETCカードを発行できるのが強みです。
ちなみに社員用追加カードに関しても発行枚数は無制限です。

楽天ビジネスカード
カード名称 | 楽天ビジネスカード | 楽天プレミアムカード |
---|---|---|
年会費 | 2,000円(税抜) | 10,000円(税抜) |
申込対象 | 個人事業主 法人代表者 | 個人 |
限度額 | 300万円 ※楽天プレミアムカードと合算 | 300万円 ※楽天ビジネスカードと合算 |
追加カード | なし ※楽天ビジネスカードは楽天プレミアムカードの子カードという位置づけ | 楽天ビジネスカード |
ETCカード | 年会費:500円(税抜き) 発行枚数:制限なし 発行手数料:無料 (1枚目だけ年会費無料) | 年会費:500円(税抜き) 発行枚数:制限なし 発行手数料:無料 (1枚目だけ年会費無料) |
ポイント名 | 楽天スーパーポイント | 楽天スーパーポイント |
ポイント付与 | 100円で1PT ※ポイント付与は楽天プレミアムカードと合算 | 100円で1PT |
ポイント交換先 | 楽天市場の支払い 楽天トラベルの支払い 楽天ブックスの支払い 楽天Edyへ移行 ANAマイルへ移行、など ※Amazonギフト券など、ギフト券や商品交換はない | 楽天市場の支払い 楽天トラベルの支払い 楽天ブックスの支払い 楽天Edyへ移行 ANAマイルへ移行、など ※Amazonギフト券など、ギフト券や商品交換はない |
空港ラウンジ | なし ※楽天プレミアムカードの空港ラウンジを利用可能 | 国内主要29空港 海外2空港 プライオリティパス |
保険 | なし ※楽天プレミアムカードの保険を利用可能 | ショッピング保険:300万円 国内旅行保険:5,000万円 海外旅行保険:5,000万円 |
電子マネー | Apple Pay | Apple Pay |
楽天ビジネスカードは、ETCカードを無制限に発行できます。
- 発行枚数:無制限
- 年会費:500円
- 発行手数料:無料
ETCカードは1枚目だけ年会費無料、2枚目以降は税抜き500円です。
楽天ビジネスカードは個人用としてリリースされている「楽天プレミアムカード」を持っていることが前提という特殊なスタイルなので、プライベートで楽天プレミアムカードを使っているかたにおすすめです。

まとめ
ETCカードを会計処理する際の勘定科目は「旅費交通費」で、クレジットカードで処理する場合は貸方を「未払金」にします。
- ETCカードの勘定科目は旅費交通費
- クレジットカード処理は貸方の勘定科目が未払金
- ETCカードの領収書は利用明細でOK
- ETCカード利用明細はWebで取得可能
- ETCカードは法人カードで発行するのがおすすめ
また、ETCカードは領収書のかわりに利用明細を使うことができるので、ETCカードを発行したらETC利用照会サービスで新規登録を済ませておきましょう。
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